【社長日記】フレイルの日

先週のことになってしまいますが、2月1日はフレイルの日なのだそうです。昨年2020年に制定されたばかりだそうです。

フレイルというのは日本老年医学会が提唱した概念で、Frailty(虚弱)という言葉から来ています。加齢によって健康な状態から要介護状態に進行中の状態を表しています。3つの要素があり、身体的フレイル、精神的フレイル、社会的フレイルが関わっています。そのような要素が組み合わさって、ADL(日常生活動作)が低下し、要介護状態になってしまいます。ですが、逆に言えば、それぞれの要素を改善することにより要介護状態への進行を防いだり、より健康に日常生活を遅れる状態に戻していくことができます。フレイルという言葉は非常に注目されているようですが、一般的な認知度はまだまだ低くて10%未満だそうです。

そこでフレイルの日というのを制定したのだそうです。その先週2月1日にスマート・ウエルネス・コミュニティ協議会(以下SWC協議会)、日本老年学会、日本老年医学会、日本サルコペニア・フレイル学会が主催して、「フレイルの日 記念講演会」が開催されました。大阪府高石市で行われたのですが、緊急事態宣言下ということもありまして、私はZOOMにて講演を視聴させていただきました。


私は以前にSWC協議会の副理事長をされている筑波大学大学院の久野先生のお話をお聞きしたことがあったのですが、今回もお話しされるというのでぜひ視聴してみたいと思っていました。

SWC協議会は大きな運動になっていて、各省庁がオブザーバーとなって設立され、各地の自治体が参加されていて、そうそうたる大企業も参加しています。それぞれの立場で、健康長寿社会を実現するための取り組みをされています。

SWC協議会

今回の講演会ではたくさんの先生方のお話を聞くことができました。日本は世界各国に先駆けて高齢化社会に入っていると言われていますが、そのためすでにいろいろな統計があり、そのエビデンスに基づいてさまざまな解決策が考えられています。自分の健康のためにも実践したいと思えるようなことがいくつかありました。

その1つは、タンパク質を取ることです。加齢すると筋肉が低下していきます。一つの目安として、ふくらはぎの周りに、両手の人差し指と親指で輪を作った際に、隙間が空くくらいふくらはぎが細いとすれば、それはサルコペニアといって、筋肉が減っている状態にある可能性が高いそうです。高齢になると太りすぎを気にするより、なるべくタンパク質を食べて筋肉の量をへらさないようにすることや、高齢で減る筋肉は有酸素運動のための赤筋ではなく、無酸素運動のための白筋だそうなので、スクワットなどの筋トレが重要であるそうです。

今回、コロナ禍という特殊な状況ゆえの問題というのもしばしば取り上げられていました。ボランティア活動をしている高齢者のほうが、6年後、8年後の自立率が20%程度高いとか、1週間に1回以下しか外出しない人は毎日外出する人より認知症のリスクが3.5倍高いといった統計があるようです。現在、コロナ禍のため高齢者が外出を自粛したり、もしくは家族が高齢者の外出を制限してしまったりというケースが増えているようですが、そのためコロナ対策の健康二次被害とでもいうような問題が発生しつつあります。家に閉じこもっていれば確かにコロナのリスクは低減できるかもしれませんが、逆にフレイルのリスクは高くなってしまいます。それで、コロナをどのように防げばよいのかは分かっているわけですから、屋外での三密を避けた活動まで制限してしまわないように、といったことに注意喚起されていました。

なかなか若いうちにフレイルといった言葉を気にかけることは少ないのではないかと思います。ですが、若いうちから健康な体や社会性を維持することを意識するほうが、高齢になってからあなたはフレイルです、と言われて改善するよりはずっと低コストで対応できるはずです。そのためにもこういった取り組みにどんどん光が当てられて欲しいと思います。

当社でも週に1回だけではありますが、リモートオフィトレ、つまりトレナーの先生にリモートで接続して15分のトレーニングをしてもらう取り組みを続けています。高齢者の方だけでなく、リモートワーカーにとっても運動不足は深刻です。コロナで1年分の運動が失われるとすると、大変なことだと思います。私自身も意識して運動をするようにしようと思います。